カリスマックスのボーカルだった狩須魔緒が、知人から全米最大級の音楽フェス、SXSW(サウスバイサウスウエスト)2001を見に行きませんかと誘われ、『見に行くぐらいなら出演するばい!そいがロックンロールですたい!』と、とっさに豪語。SXSW日本事務局からは、『締め切りもすぎてますし、審査も去年終わってますが、SXSWアメリカ本部に直接送ってみてください、気が済むなら。』と言われ、気が済まないため、過去の作品を適当に録音したカセットテープをSXSWアメリカ本部に送る。すると、『これまで日本から送られてきたテープの中で、最もすばらしい音楽性。』と高く評価され、締め切り後にもかかわらずアメリカ本部直々、例外的に審査に通過。出演が決まる。 後に引けなくなった狩須は、元<ザ・ファンタジーズ>のイヴフラワーと放浪から戻ってきた視覚障害者、ベルベットを誘ってファンタジーズコア2001を急遽結成。ドラムは、FM長崎のラジオ番組<ハードボイン>でブレイクした人気者で、ポルトレーベル随一の天使人間、TAKA-changをフィーチャー。さらに、歪な短歌バンド<椿>から、ケケコーラを迎えて5人でスタート。のちに狩須は、ケケコーラが元陸上部の選手という経歴に、カッパを見た!と述べている。尚、ケケコーラは、ファンタジーズコアで、彼自身初めてのライブを、テキサスで迎えることになり、バカテンションが上がる。当日会場には、暴動を避けるために、スキンヘッズの警備員がこぞってステージ前をガード。FOX TVのテレビカメラが数台占拠し、ライブの模様は、後にインーネットで全世界へ放映される。浴びるカメラの中、取材人やプロモーターが押し寄せる。最も印象的だった取材は、『あなたは、アメリカがあなたに何をしたら、あなたはアメリカを許してくれるのですか。』という質問だった。この瞬間から、ファンタジーズコアが世界史を変えるという確信がさらに深まる。 |